「謙遜」とは、「へりくだること。控え目な態度をとること。また、そのさま。」という意味があります。
しかし、謙遜の意味がわかったところで、その正しい使い方やシチュエーションを理解しておかないと、間違った解釈をしたまま恥ずかしい思いをするかもしれません。
そうならないように、この記事で謙遜の意味に加えて、正しい使い方を例文も交えてわかりやすく解説しておりますので、最後まで読んでこれから活用できるようにしてくださいね!

コトハっていつもテストの点が良いよね。すごいな!

そんなことないわ。たまたま問題が簡単だったのよ。

うわー!コトハ、謙遜してる!
「謙遜」の意味とは?わかりやすく解説
「謙遜」とは、けんそんと読み、へりくだること。控え目な態度をとること。また、そのさま。という意味があります。
謙遜の意味を辞書で調べると、このように解説されております。
【謙遜の意味】
goo辞書より引用
- へりくだること。控え目な態度をとること。また、そのさま。
「謙遜」の意味
「謙遜(けんそん)」とは、自分を控えめにして、他の人を立てることを意味します。自分の能力や成果を強調せず、相手に敬意を示す態度を指します。たとえば、褒められたときに「いえいえ、まだまだです」と返すのが謙遜の一例です。このように、謙遜は相手への思いやりや礼儀の一つとして使われます。
「謙遜」の意味の概要
謙遜は、相手との関係を良くするためにとても大切な態度です。自分を過大評価せず、他人を尊重する姿勢が含まれています。特に日本では、謙遜することが美徳とされており、学校や職場など、さまざまな場面でよく見られます。ただし、度を越した謙遜は逆に相手に気を使わせることがあるので、使い方には注意が必要です。

「謙遜」ってどんなことを意味するの?もう少し詳しく教えて!

謙遜(けんそん)とは、自分の能力や立場を実際よりも低く見せる態度のことです。控えめに振る舞うことで、相手に敬意を示したり、場の雰囲気を和やかにしたりする効果があります。
「謙遜」の語源や由来
謙遜の語源や由来は以下のとおりです。
「謙遜」の語源や由来
「謙遜」という言葉は、二つの漢字から成り立っています。「謙」は「へりくだる」「控えめにする」という意味があり、「遜」は「ゆずる」「相手に従う」という意味です。つまり、「謙遜」は「自分を控えて相手を立てる」という考えを表しています。
この言葉は古くから使われており、中国の古典に由来しています。昔の中国では、人と人との関係を大事にし、相手を敬う心が重んじられていました。その考えが日本にも伝わり、礼儀やマナーとして定着しました。特に日本文化では、謙遜は相手への配慮や思いやりを示す大切な態度とされています。
日常生活では、相手に敬意を示すために自然と謙遜の言葉が使われていますが、その背景には長い歴史と文化の影響があるのです。
「謙遜」の使い方を例文でわかりやすく解説
それでは、「謙遜」の正しい使い方を具体的にイメージできるようわかりやすい例文をご紹介します。

謙遜ってどういう場面で使ったりするの?

謙遜は、褒められたとき、自己紹介やプレゼンのとき、目上の人と話すときなどに使われます。相手への敬意を示し、円滑なコミュニケーションを図るために役立ちます。
謙遜は、相手との関係をスムーズにし、良いコミュニケーションを築くための大切なマナーです。

謙遜は次のような場面でよく使われます。
- 褒められたとき:相手から評価されたときに自分を控えめに表現する。
- 自己紹介や挨拶のとき:自分を紹介するときに謙虚な気持ちを伝える。
- 目上の人と話すとき:上司や先生などに対して礼儀を示すために使う。
- 人から助けられたとき:感謝を伝えるときに、自分を控えめにして相手を立てる。
- 成功や成果を話すとき:自分の実績を話すときに、過剰な自慢にならないように気をつける。
謙遜を使うときは次のことに気をつけましょう。
- 度を超えた謙遜は逆効果になる:あまりにも自分を下げすぎると、相手が困ってしまうことがあります。
- 場面に合った謙遜を心がける:友達同士の会話では軽めに、仕事や公式な場では丁寧に使い分けましょう。
- 本心が伝わるようにする:謙遜しすぎると本心がわかりにくくなるので、素直な感謝や喜びも大切にしましょう。
謙遜の例文①
友達にテストで良い点を取ったことを褒められたときの場面です。

テストで90点!?すごいね!

ありがとう。でも、たまたまなのよ。

この例文では、褒められたときに「たまたまなのよ。」と返すことで、謙遜の気持ちを表しています。自分の努力を強調せず、友達が気持ちよく褒められる場を保つことができます。ただし、本当に努力した場合は「ありがとう、頑張ったんだ」と感謝も忘れずに伝えるのが大切です。
謙遜の例文②
初対面の人に自己紹介するときの場面です。

はじめまして、まだまだ未熟ですが、よろしくお願いします。

こちらこそ、よろしくお願いします。

自己紹介で自分を「未熟」と言うことで、相手に親しみやすさと謙虚さを感じてもらえます。初対面では控えめな表現を使うことで、相手に好印象を与えることができます。しかし、過度に自分を卑下すると逆に自信がない印象になるので注意が必要です。
謙遜の例文③
職場で上司から仕事ぶりを褒められたときの場面です。

今回のプレゼン、よく頑張ったね。

ありがとうございます。まだ改善の余地がありますが、今後も精進します。

この例文では、感謝の言葉を伝えた後に「まだ改善の余地があります」と付け加えることで、謙遜の気持ちを表しています。褒めてくれた相手に敬意を示しつつ、今後の成長意欲も伝えられるので、職場や学校でとても有効な返し方です。
「謙遜」の言い換え表現を例文を使ってわかりやすく解説
「謙遜」には以下のような言い換え表現があります。
【謙遜の言い換え表現】
- 控えめ(ひかえめ)
- 遠慮(えんりょ)
「控えめ」の例文
「控えめ」は、自分の気持ちや言動をおさえて、目立たないようにすることを意味します。自分を強調せずに、落ち着いた態度でいることを表します。謙遜と似ていますが、「控えめ」は行動や話し方が主に対象となり、態度や振る舞いに使われることが多いです。
クラスで意見を求められたときに、自分の考えを話す場面です。

私はあまり詳しくないですが、控えめに意見を言わせてもらいます。

わかった。どんな意見か聞かせて。

この例文では、「控えめに意見を言う」とすることで、相手に押しつけがましくならないように気をつけています。謙遜は相手を立てる気持ちが強いのに対し、「控えめ」は自分の主張を和らげる意味が強いのが特徴です。相手との距離を縮めたいときや、場を和ませたいときに使えます。
「遠慮」の例文
「遠慮」は、自分の気持ちや行動を控えて、相手に迷惑をかけないようにすることを意味します。謙遜と似ていますが、「遠慮」は相手への配慮や慎重さが強調される言葉です。
友達からお菓子をすすめられたときの場面です。

このお菓子美味しいよ。食べる?

ありがとう。でも、遠慮しておくね。

この例文では、「遠慮しておくね」と返すことで、相手に迷惑をかけたくないという気持ちを表しています。「謙遜」は自分を下げて相手を立てる意味が強いのに対し、「遠慮」は相手への気づかいを優先する表現です。何かを断るときや、相手の気持ちを考えて行動を控えるときに使われます。
「控えめ」は自分の態度や行動をおさえて目立たないようにすること、「遠慮」は相手への気づかいから行動を控えることを表します。どちらも謙遜と似ていますが、場面や伝えたい気持ちによって使い分けることが大切です。
「謙遜」の類義語
「謙遜」と似た意味を持つ言葉はいくつかありますが、それぞれニュアンスが異なります。ここでは、「卑下」と「謙る」の2つの類義語を紹介します。
【謙遜の類義語】
goo辞書より引用
- 卑下(ひげ):自分を劣ったものとしていやしめること。へりくだること。いやしめて見下すこと。また、そのさま。
- 謙る/遜る(へりくだる):相手を敬って自分を控えめにする。
「卑下(ひげ)」の例文
「卑下」とは、自分を必要以上に低く見ることを意味します。謙遜と似ていますが、「卑下」は自分を悪く言ったり、過度に下げたりする時に使われます。謙遜が相手への配慮を目的にしているのに対し、卑下は自分を否定的に扱うことが多く、使いすぎるとネガティブな印象を与えてしまうことがあります。
クラスで発表後、友達に褒められたときの場面です。

発表、とてもわかりやすかったよ!

いいえ、全然ダメだったわ。声も小さかったし…。

この例文では、自分の発表を「全然ダメだった」と否定しています。これは「卑下」にあたる表現で、謙遜よりも自分を悪く言うニュアンスが強くなっています。相手が褒めてくれたときにあまり卑下しすぎると、相手が困ったり「そんなことないよ」と何度もフォローさせてしまうことがあります。謙遜との違いは、謙遜が相手を立てる目的で使うのに対し、卑下は自分を必要以上に低く見せることが強調される点です。
「謙る/遜る」の例文
謙る/遜る(へりくだる)は、自分を低くして相手に敬意を示すことを意味します。特に目上の人に対して使われる言葉で、謙遜よりも丁寧さや礼儀を重視した表現です。謙遜が幅広い場面で使われるのに対して、「謙る」は改まった場面や正式な会話でよく用いられます。
先生に課題の提出が遅れたことを謝る場面です。

お忙しいところ申し訳ありません。遅れてしまい、深く謙ってお詫び申し上げます。

今後は遅れないように気を付けてください。

この例文では、「謙ってお詫び申し上げます」とすることで、相手に対して最大限の敬意と謝罪の気持ちを表しています。「謙る」は謙遜よりも堅い表現で、特にビジネスや改まった場面で使うと適切です。謙遜が日常的に使えるのに対し、「謙る」はフォーマルな状況で用いられるため、場面に合わせて使い分けることが大切です。
「謙遜」の対義語
「謙遜」には明確な対義語はありませんが、反対の意味を持つ言葉として、以下の二つを紹介します。
【謙遜の対義語】
- 傲慢(ごうまん):おごりたかぶって人を見くだすこと。また、そのさま。
- 自慢(じまん):)自分で、自分に関係の深い物事を褒めて、他人に誇ること。
「傲慢(ごうまん)」の例文
「傲慢」とは、自分が優れていると思い込み、他人を見下すような態度をとることを意味します。謙遜とは逆に、自分を高く評価しすぎることで、周囲に悪い印象を与えることがあります。
クラスでグループ活動をしているときに、自分の意見ばかり押し通そうとする場面です。

みんなの意見なんて聞く必要ないよ。僕が一番正しいんだから。

うわー!それって傲慢よ!

この例文では、「みんなの意見なんて聞く必要ない」という発言が、他人を軽視し、自分が一番正しいと思い込んでいる態度を表しています。謙遜が相手を立てることで良好な関係を築くのに対し、傲慢は相手を見下すため、対立や不快感を生みやすいのが特徴です。
「自慢(じまん)」の例文
「自慢」とは、自分の能力や実績を誇示し、他人にアピールすることを意味します。謙遜が自分を控えめに表現するのに対し、「自慢」は自分を積極的にアピールすることで、聞き手に不快感を与えることがある言葉です。
友達同士で成績の話をしているときに、自分の成功を強調する場面です。

テストで100点取ったよ!やっぱり僕は頭がいいからね!

うわー!自慢してる!

この例文では、「やっぱり僕は頭がいいからね」という部分が、自分の成功を誇示しすぎている表現です。謙遜は相手を立てることで良い関係を築くのに対し、自慢は相手に不快感を与えることがあり、使い方に注意が必要です。
「傲慢」と「自慢」の違いと使い方
- 傲慢:他人を見下し、自分が最も優れていると考える態度。
- 自慢:自分の成功や能力を過度にアピールし、相手に押しつける態度。
どちらも謙遜とは反対の意味を持ちますが、傲慢は他人を軽視するニュアンスが強く、自慢は自己アピールが過剰になることを指します。場面に応じて適切に使い分けることが大切です。
「謙遜」の英語表現
「謙遜」を表す英語表現はいくつかありますが、ここでは以下の2つを紹介します。
【謙遜の英語】
NativeCampより引用
- humble
- modest
「humble」の例文
「humble」は、自分を控えめにして、相手を立てるという意味の英語表現です。日本語の「謙遜」と非常に近い意味を持ち、ビジネスや日常会話の中でよく使われます。
仕事で上司に評価されたときの場面です。

"Your presentation was excellent!"
日本語訳:君のプレゼンは素晴らしかった!

"Thank you, but I still have a lot to learn. I'm just trying my best."
日本語訳:ありがとうございます。でも、まだまだ学ぶことがたくさんあります。頑張っているだけです。

この例文では、褒められたときに「Thank you, but I still have a lot to learn.」と答えることで、謙遜の気持ちを表現しています。「humble」は自分の実力を強調せず、努力し続ける姿勢を示すときに使われます。
「modest」の例文
「modest」は、自分の能力や成功を控えめに表現することを意味し、「humble」と似ていますが、少し違ったニュアンスがあります。「humble」が相手への敬意を示すのに対し、「modest」は自分の成果を過大に見せないという意識が強い表現です。
友達に試験の成績を褒められたときの場面です。

"You did great on the test!"
日本語訳:テスト、すごく良かったね!

"I did okay, but there were some really tough questions."
日本語訳:まあまあかな。でも、すごく難しい問題もあったよ。

この例文では、「I did okay, but there were some really tough questions.」と答えることで、自分の成績を過剰に自慢せず、控えめに伝えています。「modest」は特に、成果や能力について話すときに使われ、謙虚な印象を与える表現です。
「humble」と「modest」の違いと使い方
- humble:相手への敬意を込めて、自分を控えめにする表現。フォーマルな場面でも使える。
- modest:自分の成果や能力を誇張せず、控えめに伝える表現。カジュアルな会話でもよく使われる。
どちらの表現も謙遜の意味を持ちますが、使う場面によって適切に使い分けることが大切です。
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